澄み渡る秋晴れの一日をぶどう狩りへとしゃれ込んだ。
中央自動車道を一宮御坂で降り、しばらく車を走らせていると、道の両側にぶどうの畑が目に入る。しかも、道の両側にずっと続いている。
それに呼応するように「ぶどう狩り」ののぼり旗もたくさん現れ出す。
ふつふつと、「(フルーツ)狩りの血」が騒ぎます。
そんな中、「ぶどう食べ放題」の看板を発見!
すでに何組もの団体がカフェのテラス席のようにテーブルがいくつも並んでいるところで食べたブドウの皮を積み上げていた。
うおぉ、ここだぁ!ここは絶対に良い!この農園に入るしかない!と、野生の(フルーツ)狩りの血が直感で私に訴える。
飢えた獣のような気持ちは、「こ〜んに〜ちは〜」とお日様のような笑顔で出迎えてくれたお姉さんの前に、日なたでまどろむような甘えた猫のように解かされました。
おひさまお姉さんによると、旬を迎えてその日の朝穫りで収穫されている数種のぶどうがすべて食べ放題なのだとか!!
農場が広大なので、お客さんが歩き疲れすぎたりしないように、テラス席でバイキング方式にして食べ放題しているのだとか。
もともと、一房づつ狩って量り売りのつもりではるばる乗り込んだのだが、「食べ放題」があるならば、それを逃す手はありません。
料金をお支払いして、いそいそと皿を持ち、ずら〜っと並んだ各種新鮮ぶどうを取る、取る、取る〜〜、取りま〜〜す。
本日の新鮮完熟ぶどうは、巨峰、甲斐乙女、甲斐路、ベリーA、ウルバナ、ロザリオビアンコ。
3、4粒ごとの小さな房が山盛りになって並べてあります。
丸太を切ってそのまま立てた素朴な椅子に座り、わくわくしながら口に運ぶ。
う、う、うまあぁ〜〜いい!!
完熟特有のはち切れそうなほどぷっくりパツンパツンの姿、芳醇で気品のあるさわやかな香気、齧ると新鮮なものだけが持つバリンとした小気味良い食感。
もともとぶどうは好きでよく食べるのだが、ここで食べるぶどうは、違う。
未知の別の果物のようだ。
一粒目を恍惚感たっぷりにしっかり味わい、後は、美味さにつられ、バリンバリンと一気に完食。
二皿目に突入。食べる食べる。
三皿目、食べる食べる。飽きない。
四皿目、粒をつかむ手が止まらない。まだまだ余裕で入る。
五皿目、生っているぶどうを摘んでもOKだという事で、リフト機に乗って選んだ木生りぶどうを自分で摘み取らせてもらって食べる。自分で選ぶのもまた楽し。
六皿目、人心地ついたのか我に返り、ようやく周りが見えてくる。
他のお客さんは、家族連れ、カップル、大学生のような若い人たちの団体さん。
みんながなんだか嬉しそうにぶどうをほおばり、会話が弾んでいる。
よくある食べ放題では、「食べる」っていう試合に臨んでいるのかって程、殺伐とした感があったりするけれど、ここではみんな食べる手が止まらないながらも、会話が弾んでいるのだ。
秋風も清々しい、ぶどう棚の木漏れ日の下。こんな気持ちのいいところでうっとりするほどの美味しいブドウ。会話が弾まない訳ないよね。
我ながら良く食べたよな〜と、皿に富士山のごとく高く積み上げられたブドウの皮を眺めていると、農園の気の良いマダムが、「良かったらコレ食べてねぇ〜」と、自家製の刺身コンニャクをわさび醤油で出してくれた。
自家製ならではの独特の弾力があり、とても美味しい。
それを食べた後、お土産にするのにはどのぶどうが良いかな〜と眺めていると、またマダムが「今日はじゃがいもがあるから、じゃがバター出来たよ〜、これも食べて〜」と差し出してくれる。
これもありがたく美味しく頂戴した。
満腹になった後、改めて農園の中に入らせてもらうと、ぶどう棚は、先がどこかわからない程で、やはり広大だった。
チャボが自由に歩き回り、インコ達の鳥舎やぬいぐるみのような親子ウサギのケージがある一角もあってとてもにぎやか。小さくて可愛い動物園のような雰囲気で、家族連れの子ども達が赤ちゃんウサギを抱いていた。心和ませられる楽しい空間だった。
名残は惜しいけれど、早めに出発しないと高速で渋滞にはまってしまう。
その日の朝穫れ数種の新鮮ブドウの詰め合わせ(完熟で新鮮で超特価!)、掘りたてじゃがいも、マダムの手づくりコンニャク、烏骨鶏やチャボの生みたて卵を我が家のお土産に帰宅の途についた。 農園の人だけでなく、他のお客さんもみんな笑顔だった。
きっと、この農園だったから、あの農園の人たちだったからこそ素晴らしい休日を過ごせたのだろう。
多少時間はかかるが、この地でしか、この農園でしか得られない満足は何ものにも代え難い。
あのまばゆいぶどう棚の木漏れ日と歓声を忘れない。
山梨県笛吹市
野澤観光園